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おかしな縁結び(01)

 クルシュタインの王女フィリシアは、自らにかけられた死の呪いを解くために旅をしている。身分を明かさず、フィアと名乗って、一般庶民のふりをすることが多い。同行する隣国の王子フルートも、同じように、ルークと名乗っている。
 あるとき、ふたりが馬に乗って、ぽつぽつと語らいながら街道を進んで行くと、道ばたで、若い娘が座りこんで泣き言を言っていた。
「これ以上、馬に乗るのはいやよ。じいや、私はもう疲れました。このあたりで、通りかかる馬車を待って、乗せてもらうことにしましょうよ」
 質素な身なりをしてはいたが、その言葉からも、身にまとう気品からも、彼女が身分の高い家の令嬢であることは疑いようがなかった。かたわらで、じいやと呼ばれた初老の男は、「このあたりは馬車には不向きな道でございますから」と、困ったように言ってから、ちょうど通りかかった二人を指さした。
「お嬢様、ごらんください。ちょうどお嬢様と同じくらいの年頃の娘さんが、同じように馬に乗って通り過ぎて行きます。お嬢様もお心を強く持って、もうしばらくご辛抱くださいませ」
 じいやが指さしたのは、フィリシア王女、もとい、フィアだった。たしなめられた令嬢は、通り過ぎて行く青い髪を目で追いながら、
「きっと、馬に乗り慣れているのでしょう。一緒にしないで」
 恨めしそうに言ったが、思い立ったように続けた。
「では、あの方たちに同行させてもらおうかしら。声をかけて、お待ちいただいて?」
 じいやは慌てて駆け出して、大声をあげた。
「もし、そこのお二方、お待ちください! もし!」
 旅の二人は、追って来る声に気が付いた。
「ルーク、あれって、私たちのことじゃないかしら?」
「知らん顔して通り過ぎても、ばちは当たらないと思うぜ」
「そうは言っても。旅の空では、困ったときはお互いさまだもの」
と、フィアは言って、馬を止めた。

 そんなわけで、次の街まで、叔父と姪の二人連れ(と、当人たちは言い張った)が、一緒に行くことになった。そして、何度も何度も何度も何度も休憩が挟まれることになり、進む速度は、ぐんと落ちた。
 フィアは文句を言わず、励ましの声をかけ続けた。ルークのほうも怒りはしなかったが、
「なあ、こんなふうだと、今日は街に着かないぞ。いいのか?」
「困ります。野宿するわけには参りません」
「覚悟はしといたほうがいい」
 当然の結果として、陽が沈むころ、まだ街はずっと先にあった。
 不幸中の幸いで、近くに、人の住む館がひとつあり、泊めてもらえることになった。

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