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おかしな縁結び(03)

 令嬢は、目を丸くした。
「え? え? いったい、どういう・・・」
「ぼくは、今でこそ何不自由なく暮らしていますが、貧しい家に生まれました。幸い商才があったおかげで、今はこのように大きな館を建てて住んでいますが、ずっと、姫君と呼ばれるひとと結婚するのが夢でした。黒パンが口に合わない、干し草の上では眠れない、あなたのようなひとこそ、隠していらっしゃるけれども、本当は高貴な姫君に違いない。きっと、侍女と、下男と、じいやを連れて、何か理由があって落ちのびていらっしゃったのでしょう。つらいめにもお会いになったかもしれませんが、今日からは、苦労などさせません。もちろん、本当は羽根布団も用意してあるのです。試すようなことをして申し訳ありませんでした。どうか、ぼくの妻となってください。この館で共に暮らしましょう!」
「まあ」
と言って、令嬢は、気を悪くするふうもなく、はにかんだように笑った。
「そのようなことで気付かれてしまうとは思いませんでした。おっしゃるとおり、ゆえあって落ちのびて参りました。行くあてもなく。もし、このようなわたくしで良いのでしたら・・・」
ぽっと頬を染める令嬢と、しきりに褒め称える若者の周りを、不思議に華やいだ空気が取り巻いている。
 あっけにとられたルークが、思わずぼそっと呟いた声は、隣にいたフィアの耳にだけ届いた――「馬鹿じゃねーの?」
「ルークったら!」
 フィアにとがめられて、ルークは、「いいけどさ」と肩をすくめた。ふたりは黒パンをミルクに浸して食べながら、くすくすと笑った。
「君のこと、侍女だってさ」
「あなたのこと、下男ですって」
 すると、じいやが真面目な顔で言った。
「わしの目は、ごまかせませんぞ」
「え?」
 ふたりが見ると、じいやは頭を下げた。
「旅慣れていらっしゃるようだけれども、あなたがたこそ、ただものではありますまい。お嬢様はどうやらここが気に入ったご様子、我々をここまで連れて来てくださって、どうもありがとうございました」
 旅の王子と王女は顔を見合わせた。そして、
「ただの通りすがりさ」
「お役に立てたなら、良かった」
と、口々に言って、笑った。
 朝食後、ルークとフィアは、すぐに館を発った。じいやだけが、何度も頭を下げながら見送ってくれた。
「あのひとたち、うまく行って、幸せになるといいわね」
と、馬上に揺られながら、フィアが言った。馬を並べているルークは苦笑して、
「まあ、そうだな」
と言った。
 そうして二人は、思うことなどをぽつぽつ話しながら、今日も旅を行くのだった。

(完)

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コメント

月路さん、こんにちは(=^・^=)!
「田舎パン」と迷われたタイトルでしたが
読み終わってみると「おかしな縁結び」でぴったりでしたね。
くすっと笑いながら優しい雰囲気を楽しませていただきました。

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

こういう変なお話を読者の方が楽しんでくださるかどうか不安だったので、そう言っていただけるとホッとしますheart04
ルークは率直に感想を言い過ぎ!という気がしますが、笑っていただけたなら良かったです!happy01

月路さんこんにちは(*^_^*)

今回は館が砂粒になって崩れ落ちたり
迷宮的なものじゃないんだろうなぁ〜
と、読み進めました。

成金主義的な若者と世間知らずで我儘な
令嬢…どこかズレた感覚が似合いのバカップル(いい意味で)

周りは振り回されて、迷惑だけど
ピュアな感じが、両人の共通点?

まあフルートとフィリシアでは無く
お忍びのルークとフィアの姿とはいえ
オーラを放つ美男美女のカップルを下男、侍女とは^^;
そこが商才以外は無い朴訥な田舎のあんちゃん的で
クスリとするレシピなんでしょうか…

とり3だったら
特別なパンを用意しましたと
白パンにダイヤの指輪忍ばせロマンティックな
話にするつもりが、令嬢の前歯が欠けて
最後についオチをつけちゃいそうな
悪戯な自分がいて困りました…

剣と魔法のバトルものが好みですが
時々ほっこりしたお話も好きです。

でもやはり、強い魔女や魔神や人ならざる
クリーチャーが出てくるとテンションが
アゲ↑です^^

名前は我儘なお嬢様キャラ『エリカお嬢様』に一票
若者は話題の大富豪『トランプ』氏
あ、彼はピュアさは無いですね^^;
歯に衣着せぬ所がピュアと言えるかなw

それではまた

とり3さん、
コメントありがとうございます♪

令嬢は本当は、ルークにちょっぴり心惹かれていたのですが、
泊めてくれた館の主人から「あなたこそ本当の姫君」と言われてその気になり、
旅立つルークに「ごめんなさい」と言って、ルークが「は?」となる、
そのへんのことを、すっぱり切り落とした完成形となりました。
令嬢の名前は、エリカと響きが似ているアンジェリカになりそうです。

バトル系は「にじむ闇」以来書いてなくて、しかもあれは小さな話だったので、
何かこう、「石の大蛇」みたいな感じのお話を書きたい気分もあるのですが。
そういう芽がうまく育っていないので、気長にお待ちくださいませ~。

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