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聖者の護符(01)

 話に聞いていたとおり、荒れ野の中に、一軒ぽつりと宿屋があった。遠くからでも宿屋とわかるのは、大きな看板が出ているからだ。がっちりした体つきの、宿の主人らしき男が、夕焼け空の下で、旅人たちに向かって手を振っている。
 一行が馬で近づくと、主人は笑顔で声をかけて来た。
「こんばんは、みなさん。今日はここに泊るのがよろしかろうよ。どこかで聞いて来ただろうけども、ここらは夜になると、あやしげなものがウロウロするからね。ともかく、屋根のある所にお入んなさい」
「ありがとう、世話になるよ」
と、一行を代表して、金髪の若者が、こちらも笑顔で返した。あたりを見回しながら、
「それにしても、本当に何もないところだな。宿を続けるのは大変じゃないか?」
「やあ、それでも、ここらに一軒泊まれる場所がないと、旅の人たちは皆さん困るだろうから」
 宿の主は誇らしげに、
「幸い、うちには、旅の聖者様からいただいた、ありがたい御守りもある。何を恐れることもなく、商いを続けていけるよ。さ、どうぞ」
 一行は、馬を馬小屋につないだ後、ひとりずつ中に入った。しんがりになった黒髪の若者は、軒先に吊るされた護符を見て、足を止め、しげしげと眺めた。銀の細工にまじないを彫り込んだものが、いくつも組み合わされて吊り下がり、揺れている。彼の視線に気づいた主人が、
「ああ、それが聖者様の護符だよ。何と書いてあるのかは分からないけども、ご利益は確かだ」
「・・・手を触れても?」
「いいとも」
 ゼラルドは護符に触れて、そっと、裏返したり、透かしたり、揺すったりした。宿の主人は何度もうなずいて、
「護符というものに詳しいひとは、皆さん感心なさるようだよ。わしには、何が何やら、さっぱりだがねえ」
「・・・これほど見事な護符を初めて見た」
 ゼラルドはつぶやいて、何かを問うように、視線を宿の主人へ向けた。主人は、いくらか戸惑った顔をしたが、
「それをくださった聖者様は、荒れ野の中に行き倒れていたんだ。文無しでね。連れて帰って、何日か泊めて食べさせたら、元気になって、金がないから代わりにと言って、これを置いて行かれたのさ」
「・・・」
 何かを懸念するかのように黒い瞳を揺らしたゼラルドは、しかし、何も言わずにうなずいて、その場を離れた。

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コメント

月路さんご多忙なところ記事いいね!を
有り難うございますm(_ _)m

『amulet of saint』
ファンタジーなタイトルが
ど・ストライクで心踊ります(*^^*)

黒髪の貴公子『ルインドゥーラ』たるゼルが
逃避行の際に、太陽による瞬間移動と
月による瞬間移動を宝剣に重ねて光姫の導きで
古代レティカ滅びし時より誰一人として
なし得なかった大境界越えを果たした時に
行き倒れてましたね…

戦闘、占い、予知、マジックアイテムの作成
術との相性や得手不得手はあるにせよ
ゼラルドを唸らせるほどの護符の作り手は
聖王家の血脈に連なる相当手練の月の聖者
なのかな…
それほどの者が行き倒れとは
護符の月の聖者のサイドストーリーも
とても気になります。

ではまた

とり3さん、
コメントありがとうございます♪

とり3さんが広場に戻られていたことに、ずいぶん長いこと気づかずにいました。すみませんsweat01
ブログにはちょくちょく寄らせていただいています。お花の記事が好きですtulipshine

銀の護符というだけで、月の聖者が残したものだとお分かりいただけて、さらに、さりげなくゼラルドの階級名まで出していらっしゃるとは、なんと優れた読者様でしょうか…!
今回のお話の続きを書くにあたって、感謝しつつ、なんだか緊張して来ました…!coldsweats01
小品ですが、楽しんでいただけるお話にできればいいな、と思います。
こつこつ作っておりますので、もうちょっとお待ちくださいねmoon3
今後ともよろしくお願いいたします♪

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