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星降る夜に(01)

 フルートとゼラルドが先行して道を調べに行き、戻って来ないまま夕日が沈んでしまったある日、セレンとフィリシアは二人きり、田舎の小さな宿に泊まることになった。宿を営んでいるのは年配の夫婦で、元は息子たちが暮らしていたという離れを、宿泊所として提供しているのだった。その息子たちは街に稼ぎに出てしまい、年に一度帰って来るだけなのだと言う。
 セレンもフィリシアも、戻らない二人のことは心配しなかった。予期せぬことのひとつやふたつ起こったところで、あの王子たちは自分の身は自分で守る。かくして、穏やかに夜は訪れて、鍵のない離れの小屋で、フィリシアを屋根裏に上げておやすみを言ったセレンが、窓際の机にランプを置き、少しだけ書き物をしていると、
「ねえ、セレン?」
と、背中に呼びかけられた。
「ん? どうかした?」
 振り返ると、青い髪の姫君が、さっき上がったばかりの屋根裏から、階段を下りて来るところだ。
「あのね、セレン、私たち、すこし出かけて来てもいいかしら」
「私たちって・・・」
「レッティと私」
「えっ、ミルガレーテが――」
 来ているのか、と聞こうとしたが、問うまでもなく、フィリシアに続いて階段を下りて来たのは、輝くばかりの金の髪、雪のように白いほおの、妖精を統べる<光り姫>。
 ふたりの美姫は、並んで床に降り立ち、おとなしくセレンの許しを待っていた。なんとなく、ふたりの寵姫を待たせているような、我ながらけしからぬ錯覚を覚えながら、
「もう夜だから、あぶないですよ、お姫様方」
 セレンがたしなめると、フィリシアが申し訳なさそうに、
「でも、星を見たいの。夜でなければ見られないわ」
と言う。ミルガレーテも、うなずいて、おずおずと、
「この近くに、妖精たちの集う場所があるの。危険な場所ではありません。たぶん今夜あたり、それはそれは綺麗に、星が見えると思うの」
 言いながら、そっと胸の前で手を組み合わせている。
「・・・<光り姫>より綺麗な星など、ありはしませんよ」
 セレンは、半分本気で呟いてしまってから、急いで言葉を継いで、ごまかした。
「どうしても出かけるなら、騎士も一緒にお連れくださいませんか、お姫様方」
 ふたりの姫君は、顔を見合わせ、目で相談して、うなずき合った。それぞれ笑顔で、
「それでは騎士様もおいでください」「よろしくお願いしますね、セレン」
 口々に言われて、つい、両手に花、という言葉を思い浮かべながら、セレンは「喜んで」と応じて、月色の長い髪をひとつに束ね、姫君たちの夜の散策に同行したのだった。

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コメント

月路さん、こんばんは☆
「星降る夜に」始まりましたね(=^・^=)♪
素敵な展開でワクワクします。
続きも楽しみにお待ちしていますね。
そして「竜王の館前・後編」ですが在庫があるようでしたら
取り置きをお願い致します。
来週には切手送付出来ると思います。
7月中旬にまた宝物が増えると思うとドキドキします☆

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

「両手に花」でワクワクしていただけるとは、うさパンさんも隅に置けない…!happy01
お取り置きのほうは、おまかせください☆

うさパンさんに喜んでもらえると、私もとても嬉しいです。
刷り上がるのを、一緒にドキドキ待ちましょう~。

月路さん今晩は(^o^)/

帰路の聖なる森では、かのセレンの喧嘩仲間の脱退メンバーへのそれぞれの想い吐露
ゆがんだ城辺りから変わりはじめた関係性…
旅の道中で深まった親交と友情にほっこり来ましたが…

思えばレッティも最初はフィル初対面で
逃げてしまったのに…次第に宝剣の担い手には
随分人馴れしましたねえ。
物語も進んできてウンウンと心に去来するものがあります。

超越した存在のルークやゼルと比較しては見劣りしちゃうけど
バランスで言ったら見目麗しく、頭も切れ語学堪能、人たらしで武勇も
そこそこの腕前。気が利いて優しく女心の機微が分かるパーティのお兄ちゃん役的な大人の男。セレンが一番ですね。

キャラはそれぞれ全てに思い入れ、愛着あるでしょうが
月路さんが時々主観的な好ましげなコメントをしているのは、セレンの気がします。
フィルをダシに蝶結びの髪を編む作戦でレッティと距離を縮める…ふふふwですね。
髪を編む以来のトリオの天体観測…結びを楽しみにしてます…

ではまた

とり3さん、
コメントありがとうございます♪

そうか、「髪を編む」が、この3人の組み合わせでしたね!
この3人をまだ書いてないなんて変だなあと、思ってはいたのですが。
とり3さんのほうが、作者よりも物語に詳しそうです。ふふふ。

セレンは、「花嫁候補」みたいな話が嫌われなければ、たしかにバランス良いですね。
セレンを贔屓にしてくださる読者様に対しては、「いちばん裏表がある奴だけど、いいの?」と言いたくなる私ですが、意外とそういうところもバランスのうちなのかも?
作者のごひいきが誰なのかは、内緒ですwink

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