2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

ひとこと通信欄

  • (2017/12/11朝)また休日出勤などあったので、本編進んでおりません…。ふえーん…。

ランキング参加中!

  • 記事がお気に召したらクリックしていただけると、作者の励みになります。(1日1回まで)

    (投票せずに順位を確認したい方はこちらから。)

SF「夜景都市」(未完)

最近のトラックバック

プロフィール

  • 城

    雪村月路
    snow.moon.rainbow☆gmail.com
    (☆を@に変えてください)
    Twitter: @ariadne_maze
    ブログ更新量について
    愛読書100冊

    うちの子同盟 うちの子同盟

無料ブログはココログ

« 予告:「忘れられた町」 | トップページ | 忘れられた町(02) »

忘れられた町(01)

 陽が射したり翳ったりしている寒い日の午後、馬をあやつって4人の旅人が森をくぐり抜けると、視界が開けた先に、町らしきものが見えた。
「おかしいな」
と言って、先頭にいたフルートは、一行に止まるように合図した。すぐ後ろにいたセレンが、友の疑問に応じるように、地図を取り出して確認した。
「そうだね、ぼくたちの地図には載っていないようだ」
 月色の長い髪が風に舞わぬように押さえながら、
「でも、道は合っているようだよ。つまり、今日の目的地はこの先だ。静かに通り過ぎよう」
「そうだな」
と、フルートは同意した。それで、旅人たちは再び馬を歩ませて、まっすぐに進んだ。

 町の入口を示すアーチ型の門に近づいてみると、門の最上部に掲げられている町の名前は、風雨にさらされて読めなくなっている。番人もいない。
 馬のままで門をくぐると、入ってすぐのところは、井戸のある広場だった。人の姿はない。そこから石畳の道が続き、通りに沿ってぽつぽつと家が並んでいるが、やはり人の気配はなく、しんと静まり返っている。
「静かすぎる」
 眉をひそめてフルートがそう言ったとき、
「見て、あそこに男の子が――」
と、フィリシアが言いかけて、声をのんだ。フィリシアの示す方向を見て、他の者たちも気づいた。その「男の子」は、走っている途中のような姿勢のまま彫像のごとく固まっており、ぴくりとも動かなかった。
「変だわ・・・、あのかっこうで止まっていられるはずがないのに」
 姫君が馬から降りようとするのを、ゼラルドが呼び止めた。
「フィリシア。むやみに近づかないほうがいい」
「でも、どうしてあの子が」
「よく周りをごらん」
「え・・・」
 青い髪の姫君は、言われたとおりに観察し、状況を理解して青ざめた。よく見れば、固まっているのは少年一人ではなかった。その向こうの家の玄関前に立っている女性や、道端に座っている犬や、家の屋根に止まっている鳥までもが、作り物のように、動かない。――それでは、町を訪れた何らかの災難は、旅する彼らの上にも降りかかって来るだろうか?
 フルートが、静かに言った。
「急いで通り過ぎてしまおう。もし、この町に対して何かできることがあるとしても、それを考えるのは、無事に通り抜けたあとだ」

« 予告:「忘れられた町」 | トップページ | 忘れられた町(02) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568827/64549749

この記事へのトラックバック一覧です: 忘れられた町(01):

« 予告:「忘れられた町」 | トップページ | 忘れられた町(02) »