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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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旅へ(01)

 しんと冷えた、静かな冬の晩。内陸の大国クルシュタインで、誇り高き王城が、凍てつく星空を戴いて眠りにつこうとしていたとき。
 城の中から、ひとすじの悲鳴があがって、夜を切り裂いた。
 いち早く剣を取って駆けつけた国王は、しかし、愛する妃の部屋に何の異常も見ることはなかったので、戸惑いながら妻に視線を向けた。
 王妃は黙って、小さな鞘に納められた、ひとふりのナイフを差し出した。それで、国王にも合点が行った。
 王妃はうなずいた。涙があふれて頬を伝ったが、いまは落ち着いて、言った。
「そのときが来ました」
と。

 翌日、フィリシア王女は、両親に呼ばれて居間を訪れた。穏やかな日差しが、部屋の中をあたたかく照らしている。王と王妃は椅子にかけて微笑んでおり、王妃が口をひらいた。
「どうぞ、好きなところにかけて、楽にしてね、フィリシア」
「はい、お母さま」
 姫君は、お気に入りのふかふかした緑色の椅子に、姿勢よく掛けて、膝の上できちんと両手を重ねて待った。ゆるく波打つ青い髪は、両親から受け継いだものだ。
「フィリシア、あのね・・・」
 王妃は、迷うように言いかけて、言葉を探すふうだった。フィリシアは、しばらく待ったけれど、なかなか続きを聞くことができなかったので、そっと、自分から申し出た。
「お母さま。もしかして、私、旅に出るのでしょうか」
「・・・まあ!」
 王と王妃は、顔を見合わせた。それから王妃が、驚きを隠せない様子で、問うた。
「どうして、それを? あなたは、どこまで知っているの?」
「妖精の国に住む友達が、教えてくれました。私は、何か恐ろしい呪いによって、いずれ、自分の国にいられなくなるのだと。いつの日か、旅に出ることになるのだと」
 フィリシアは落ち着いて答えて、いつもと同じ笑顔で言った。
「心の準備なら、もうできています。ですから、ずっと私に伏せられていたことを、今こそ教えてください」
「・・・わかりました。よく聞いてくださいね」
 王妃は心を決めて、話し始めた。
「フィリシア、あなたも知ってのとおり、私はここから遠く北東にある国、イルエンの王族として生まれ育ちました。また、これも話したことのあるとおり、イルエンまで旅して来られたあなたのお父様と共に、悪しき魔女を滅ぼしました。
 けれども、魔女を倒したときに、私は呪われました。私が最初に産む子供は、いつか自分の国の自分の城で、気がふれて死ぬ運命となりました。あなたのことです、フィリシア」

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コメント

いよいよ始まりましたね。ドキドキしながら読み進めました。
読み終わったばかりなのに、もう続きが楽しみです✿(=^・^=)

うさパンさん、
コメントありがとうございます♪

一回分ずつ、丁寧に書けたらいいなと思っています。
書ききれるかしらと思うと、私も違う意味でドキドキしますcoldsweats01
ベタな展開が待っているのですが、ひとまずは、お楽しみに♪

とうとう、なのですね…!どのような出会いを経て彼らが今のような関係を築いているのか、とても楽しみにしています。

つらい宿命を背負って・・
これからどうなるのか。

まとめ読みになることもあるかもしれませんが
時間のある時には
読み逃げしないで
コメントを残したいと思います☆

コメントに元気を頂けると
実感したので(*^-^*)

水島さん、
コメントありがとうございます♪

実は、フルート&セレンのコンビとフィリシアについては、「旅へ」の前年の夏に知り合っています(その出会いのお話はまだ書けていませんsweat02)。
また、フルート&セレンとゼラルドについては、「旅へ」の前年の秋に知り合っています(これは「訪問者」というお話になっています)。
したがって今回はゼラルドとフィリシアの初顔合わせで、4人が集まるのはこれが初めてです☆

毎回、お話があっちこっち前後してすみません。
長い目でお付き合いいただければ幸いです…heart04

ホシノさん、
コメントありがとうございます♪

フィリシアが背負わされている呪いのことは、いままでのお話の中に、たまにしか出て来ませんでしたが、本人が母から告げられたときの状況は、こんなふうだったのでした。
ただ、おおざっぱに「何か強力な呪いがかかっている」という程度には、フィリシアは子供のときに妖精やミルガレーテから教えられていたので、彼女が自分で言うように、「心の準備」は出来ていたわけです。

コメントをいただくのって、元気出ますよね!happy01
気の向いたときだけでいいですよ~。ありがとうございますheart04

こんばんは(*^^*)
いよいよ、始まるのですね!
「心の準備」があること、これほど心強いものはないですね。
フィリシアの旅がこれからも幸せでありますように。

弥沙さん、
コメントありがとうございます♪

そう、旅の始まりですよ~。
備えあれば憂いなし、ですね!happy01
と言いつつ、解呪を終えた後のはずの「人魚の歌」は、不穏な雰囲気になっていて…、
いずれ、旅の終わり近くで、フィリシアは大きな悲しみに直面することになります。
が、それはまだ、先のお話。
今は、冒険の始まりを楽しむことにしましょう☆

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