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  • (2017/4/29朝) そして、3月に続いて4月もまた、溶けるようにして消え去って行くのであった…。

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旅へ(06)

「フィアのこと、みんなには内緒だぜ」
と、ルークは口止めした。ケビンは真面目な顔で、何度も頷いた。
「うん、わかった。そうだよな。女の子たちから何されるか、考えたくもないよな」
「ああ。わかったら、俺たちを通してくれ。だいたい、どこかの姫君だったら、侍女の一人も連れず、馬車にも乗らず、こんな森の中を通るわけがないだろ」
「そうだよな」
 言いながら、ケビンはまだ迷っている。
「・・・ほんとに、本当に、ルークの彼女なんだな?」
「俺を疑うのか?」
 ルークは不機嫌に片眉を寄せると、フィアの腕をつかみ、ぐいと引き寄せた。痛い、とフィアは思ったが、間近で視線が合って、ルークがとても真剣な目をしていたので、何も言えなかった。
 ――気が付いたときには、ルークに唇を奪われていた。
 何が起こっているのか、よくわからずに、青い髪の乙女は、しばし硬直した。それからルークを押しのけようとしたが、直前に見た真剣なまなざしを思い出して手を止め、そこでやっと、これが「恋人のふり」であることを理解した。我慢して、ぎゅっと目を閉じた。みっつ数えるほどの時間ののちに、ルークは離れ、フィアはうつむいた。
 ルークは、ケビンを振り返った。
「信じたか?」
「信じた。疑って、ごめん!」
 ケビンが道をあけたので、ルークとフィアは、馬を引いて通った。
「うん、それじゃ、俺たちは行くけど。ケビンも、物騒なことに巻き込まれるなよ」
「そうだな、気を付けるよ。じゃあな!」
 ケビンの声に、フィアも顔を上げて、どうにかこうにか笑顔を作り、手を振った。
 三人はそうして、和やかに別れた。

 再び馬に乗り、森の細道を進みながら、ルークとフィア――フルートとフィリシアは、しばらく無言だった。フルートは言葉を探したが、良い案もなかったので、率直に言った。
「すまない、フィリシア」
「気にしないで」
 応じたフィリシアの声には、涙が混じっていた。フルートは少しだけ、うろたえた。
「本当にすまない」
「気にしないで」
 言いながら、王女の頬には涙がぽろぽろと流れ落ちて、止まりそうにない。
 王子は、何を言ったらいいのか分からなくなった。気まずい沈黙を抱えて、二人はとにかく道を進んだ。王女は馬の上で、うなだれた。

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コメント

月路さん今日は~。
おひさしぶりです。執筆お疲れ様です(^o^)/
このところ読み逃げですみません。

なかなか進展の無いむずキュンの二人と
思っていましたが
まさか序盤で口封じにマウスにチウですか!
いい意味で裏切られました…

あらら
フィアはファーストキスだったんですかねぇ(^^;
クロージングが気になるところです。

ではまた

ハッとして
とてもドキドキしました。

可憐で純粋無垢な姫君の
ファーストキス・・

気まずい沈黙の中にある二人の今後がとても気になります。

とり3さん、
コメントありがとうございます♪

「いい意味で」…! うれしいですhappy01
なんというか、少女漫画チックなベタな展開なので、読んでくださる方々にどのくらい受け入れてもらえるかしらと、いささか不安だったのです。よかったー。

こちらこそ、読み逃げばかりですみません。
いつもお声をかけていただき、ありがとうございます!

ホシノさん、
コメントありがとうございます♪

ドキドキしていただけて嬉しいです!
「できればこんなふうに読んでもらえたらいいな」と私が思っていた、まさにそのように読んでいただけた気がして、胸にしみて嬉しいですconfident
このお話は、あと2回分ほど続くと思います。どうぞ二人を見守ってやってください。

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