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なりゆきの英雄(03)

「どうだかな」
と、ルークは気乗りしない顔をしたものの、
「試してみるしかないか。あんたはここにいてくれ」
 言い置いて、タタッと駆けて行くと、花の化け物に向かって大剣を振り下ろした。
 バチバチという硬質な音ともに、花のウロコが何枚か弾け飛んだ。赤っぽい液体も飛び散った。だが、それだけだった。花は怒り狂い、歯を噛み鳴らしながらルークに迫り、同時に、四方八方に伸びているツルが、一斉にうねうねとルークに向かって来た!
 後方で見ていたヒンデンは「うわあああ」と叫んだが、ルークは落ち着いていた。大剣を何度か振るって身を守り、ツルの隙間を縫って、タタッと駆け戻って来た。ツルは、うねうねと激しく動いているが、追っては来ない。
 ヒンデンは上ずった声で、「大丈夫か? 大丈夫か?」と繰り返した。ルークは頷いた。
「すごく頑丈なウロコだけど、たしかに、この剣なら折れないで済みそうだ」
 言いながら、片手を腰にあて、軽く首をかしげて、
「そうは言っても、時間はかかりそうな手ごたえだったな。集まって来るツルも、剣で切れるのは分かったけど、うっかり絡めとられたら身動き取れなくなるだろうし」
「あのツル、切っても切っても生えて来るんだ。なんとかなるかな?」
 ヒンデンが尋ねると、ルークは視線を上げて、これまたあっさりと言った。
「俺ひとりじゃ、無理だな」
「そ、そんな」
 ヒンデンは狼狽した。しどろもどろに、
「で、でも、ほら、剣は1本だし。たぶん神剣だし。あんたは選ばれたんだし。ま、まさか、俺をおとりにして、俺が食われている間に・・・」
 ヒンデンは勝手に想像し、青ざめて、今にも逃げだしそうだ。ルークは苦笑した。
「それもいいな」
「えええっ」
「うそだよ。町の人たちと話したい。力自慢もいるんだろ。どこに行けば話せる?」
「あ、ああ。それなら、こっちへ。たぶん広場にいる」
 ヒンデンは、再び先に立って案内してくれた。やがて、銅像や井戸のある、円形の広場に着いて、ヒンデンはきょろきょろした。
「ええと、今いる中で腕っぷしの強いのは・・・」
「けっこう人が集まってるんだな」
「うん、手が空いたらここに集まって、みんなで考えることになってるから」
 小さな町ではあるが、非常事態とあって、男も女も、広場に相当数が集まっている。みな、数人ずつで集まりながら、深刻な顔をして、ああでもない、こうでもないと話し合っているようだ。時折、怒声や、すすり泣く声が聞こえる。
 ルークは、ざっと辺りを見回した。
「まとめ役はいないのか?」
「それが、町長は少し前から臥せっていて、代理に立ちたがっている二人が反目していて、そのう、なんていうか・・・」
「ふうん」
 ルークはさらに見渡して、広場の中心にある、誰なのかわからない銅像の隣に、木箱が積み上げてあるのを見つけた。
「あれは?」
「町長代理っぽい二人が、たまに話したくなると、あの上に立つ」
「そっか」
 ルークはすたすた歩いて行って、ひょいひょいと木箱のてっぺんに登った。ヒンデンが察して、「みんな、ちょっと聞いてくれないか」と周りに呼びかけたが、これは特に誰の注意を引くこともできなかった。
 ルークは、木箱のてっぺんで広場全体を見渡し、ひゅうっと軽く口笛を吹いたあと、すうっと息を吸って、びんと声を張った。
「みんな、聞け!」
 よく通る声が空気を震わせ、広場にいる者たちは驚いて、みなルークのほうを見た。一瞬にして、広場は水を打ったように静かになった。


あれ、3回じゃ終わらない…。

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コメント

ルーク
勇ましい~(*^-^*)♡
さしずめ一般的な現代の若者のほとんどはヒンデンくんタイプかな~
そのキャラの対比も際立っているし
ルークの落着き、
やはり違うな、と感じさせる雪村さんの表現力に
ぐいぐい惹きつけられて拝読しました♪

いいですね~(^^)
どうルークが立ち向かっていくのでしょう!
ヒンデン君もアワアワしながら踏ん張っている様子が目に浮かびます♪

ルークは沈着冷静ですね!
今何をすべきか心得ている感じですね~頼もしい(*^_^*)♪

続きが気になりますね~
楽しい~♡

ホシノさん、
コメントありがとうございます♪

ルークは、旅の仲間たちの中で、いちばん勇ましいですよね。
こういう勇ましさは、作者である私の中には、ひとかけらほどしかありませんcoldsweats01
他の仲間たちだったら、この同じ場面、どうやって乗り切ったかなあ、なんて思います。
もう少し続きますので、最後までお付き合いくださいませ~☆

まぽんさん、
コメントありがとうございます♪

楽しんでいただけていて嬉しいです!
ルークはやっぱりリーダーに向いているなあ、と思いながら書いています。
(作者はあんまりリーダー気質ではないのですがsweat01
でも、「みんな、聞け」の続きは、たいしたことないかもしれませんよ~bleah

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