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お祝いのお菓子(03)

 セレンは言葉を重ねてみる。
「でもフルート、君の誕生日を祝うためのお菓子だよ」
「少し、申し訳ないな。でも嬉しい」
 フルートは目を閉じたまま、ほのかに笑みを浮かべている。セレンはさらに言う。
「フィリシアが旅を終えてクルシュタインに帰ったら、ぼくたちは、お菓子をもらうどころか、ただ会って共に時を過ごすことすら、ままならなくなるね。さびしくなるだろうな」
「ああ」
 短く答えた声には、はっきりと翳。セレンはもう少し続けて、
「次に会えるのはフィリシアの結婚式で、相手はぼくたちの知らない男かもしれない」
「それは嫌だ」
と、強い語調で言ったフルートは、ぱちりと目を開けた。自分の口から出た言葉に、やや驚いたような、戸惑ったような顔をしており、歯切れ悪く、
「相手の人となりを知らずに、祝福できる自信がない・・・」
「知り合いならいいの? たとえば、もし、ぼくがフィリシアと」
「なんだって!」
 フルートは血相を変えて飛び起きた。怒鳴られる前に、セレンは慌てて、
「いや、何もしてない! 仮定の話だよ。本当だってば。なんにもしてないから」
「そうか。おどかすなよ」
 自分が勝手に驚いたくせに、フルートはそう言って、ほっと息をついた。複雑な表情で、
「先のことをあれこれ言っても仕方ないだろう」
 言ったあと、視線の向きを変え、気が付いて、
「噂をすれば」
「本当だ」
 青い髪の姫君が、台所を借りていた民家の戸口から出て来て、きょろきょろと周りを見回している。木陰で休んでいる若者たちを見つけると、いったん中に戻ってから、大きなバスケットを二つ提げて出て来た。どうやら、外で食べることにしたらしい。
「フルート、荷物を手伝ってあげたら」
「ああ」
 金髪の王子は、軽やかに立ち上がり、駆けて行く。
「・・・フィリシアの結婚相手が、自分以外の誰であっても納得できないのだ、と。気がついたかなあ」
 セレンがぼやくと、木の反対側で、ゼラルドが、
「気づいていないように思う」
 ぼそっと言った。
 そして、バスケットを持った二人がこちらに向かって来るので、その話は、そこまでになった。

延びています。あと1回。

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