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2017年11月

こぼれ話:もうすぐ7周年

このブログの最初の記事である「このサイトについて」の日付は、2010年12月5日です。
ということは、もうすぐ7周年。
この7年で、じわじわ約90個のお話を書いて、いくつかのお話はA5版の本にして、旅物語の前半部分はおおよそ埋まってきた今日このごろ。

あと3年経って、サイト10周年を祝う頃には、100編ほど書いてあるのだろうな。
そのころには、旅物語の後半も埋まっているのだろうな。
そしたら、10周年の記念には、100編を集めて1冊の本にしてみたいな。

まとめ本を作っても、ブログでの公開はこのまま継続したいので、A5版の本を作るときお世話になっている同人誌出版社さんで、A5版の本と同じノリで、10周年記念としてハードカバーの単行本にして、ちんまり100部くらい、刷れたらいいなと思います。
今まで描いてもらった表紙絵も全部再録できたら嬉しいけど、そこは各イラストレーターさんとの契約条件が関係するので、できるかどうかわからないけど…。

と、未来のことをほわほわ語りつつ、それはそれとして、次のお話を書き始めますね。
次か、その次には、予告編を書きます。年内にもう1編くらいは書きあげたいですもんね。
たぶんセレンとフルートの話になります。
しばしお待ちくださいませ。

こぼれ話:CHARATでキャラクターメイキング

CHARAT  というサイトさんで、冒険譚の登場人物たちの似顔絵を作ってみたよ。
例によって、小さいサイズにして置いておくので、見てみたい人だけ、クリックして拡大して見てみてね。

「こんなんじゃないもん!」と思っていただくのは、まったくかまいません。むしろ嬉しいです。
読者の皆様が思い描いてくださる姿は、どれもみな正しいのですから!lovely

フィリシア、フルート、セレン、ゼラルド、ミルガレーテの順番で並べておきますね。

フィリシアフルートセレンゼラルドミルガレーテ

どうかしら。繰り返しますが、異論は認めます、ぜんぶ認めます、すみません!

作者より:「軽薄な石像」

たった3回のお話を完結させるのに、2か月半もかかってしまいました…。
始めたときには通常ペースで連載する予定だったのに、急に仕事が忙しくなってしまい…。
諸方面にご心配もおかけしてしまったようで、申し訳ありませんでした。
また、励ましのお言葉をありがとうございました。

さて、くだんの石像ですが、もちろん、フィリシアが叩いていなかったら、フルートに罰されていただろうと思います。フィリシア危機一髪であると同時に、石像くんも危機一髪でした。
石像くんの軽薄さに対して、寛容すぎる筋立てのお話だ、と思う向きもあるかと思いますが、まあ、行く末は本人次第ですから、これはこれで。

仕事は落ち着いて来ているので、少しずつペースを戻して行きたいと思います。
次は何か、セレンかゼラルドの出るお話を書きたいな。2か月半、会ってないですものね。
こぼれ話は挟むかも、挟まないかも。
どうぞ、ゆるゆるとお付き合いくださいませ。

軽薄な石像(03)

 石像だった若者が、フィリシアの片手を握ったまま、ずいと身を乗り出したので、フィリシアのほうは、控えめに身を引いた。若者は、希望に燃える目でフィリシアを見つめた。
「かの彫刻家は、ぼくに向かって言いました。『さて、色男さん。あなたの隣に、ひとりぶんの席がありますね。そこに、あなたのお気に召すような美女が座ったとき、ほんの数分、あなたの体は人間に戻るようにしてあげましょう。そして、もし、あなたが人間でいる間に、隣の美女とキスすることができたら、あなたを自由の身に戻してあげましょう』――つまり、ぼくがこれから言いたいことは、もうおわかりでしょう?」
「え」
 フィリシアが目を丸くして、言葉を失っていると、石像の若者は、うっとりと続けた。
「今までにも何度か、美しい女性が隣に座ってくれたことがありました。でも、ぼくは気がせいて、ろくな説明もせずに迫ってしまい、突き飛ばされて、逃げられて、おしまいだった。今日は違う。ぼくは全てを説明したし、あなたはとても優しい目をしたお嬢さんだ。どうか、ぼくの石化の呪いを解くために、ほんの一瞬、あなたの唇をぼくに貸してくださいませんか」
「あの、少しだけ、待って・・・」
 呪いを解くために、という言葉は、姫君の心を動かした。けれど、あまりに急な展開だったので、心の準備をさせてもらいたい。そう思った姫君の、片手をぐっと引き寄せて、若者は顔を寄せていた。
「待たない。時間がないんだ」
「ま、待って。お願い。・・・やめて!」
 フィリシアは必死に体を振りほどいた。自由なほうの手を振り上げ、
 ――ばちんっ。
 気づいたときには、思い切り、若者の頬を張っていた。
 若者は、フィリシアから手を離し、張られた頬をさすった。
「ご、ごめんなさい・・・。でも、私・・・」
 フィリシアが謝ると、若者は、傷ついた目でフィリシアを見て、ため息をついた。
「いいんです。また、だめだった。何がいけなかったのか考えます。すみませんでした」
 そう言って、くるりとフィリシアに背を向け、石像の恋人の手に口づけて、その体はだんだん白っぽくなり、みるみるうちに、石に戻ってしまった。
 もう少し早くから話の行方が見えていて、十分に心の準備ができていたら・・・。
「フィリシア?」
 困ったような声が降って来て、傍らを見れば、陽光色の髪をした王子が、水の入った皮袋を持って立っていた。姫君の顔が、ほんのり赤くなった。
「フルート。もしかして、今の・・・」
「力いっぱい殴っていたな」
 言ったほうには悪気はなかったが、姫君のほうは、蛮行を恥じてますます赤くなった。フルートは頓着せず、姫君に水袋を渡した。ひんやりと冷たい水。
「ありがとう」
「フィリシア。ぼくのことも、殴りたかったのなら、殴っていいんだぞ」
「・・・?」
「何でもない。このひとたちは、また石に戻ったのか」
「そうなの。女のひとのほうは動かなかったけれど」
 聞いて、王子は首をかしげた。
「いや、動いていた。ぼくに向かって、早く来いと手招きしていた」
「ふたりとも動いていた? それなら、もしかして」
 呪いの解ける条件。人間でいる間に、隣の美女とキスすること。「隣の美女」とは。
 フィリシアは石像たちに向かって話しかけそうになって、思いとどまり、口をつぐんだ。きっと、若者が自ら気づかなければならないことなのだ。
「ん?」
「・・・ふたりは、いつか人間に戻れるのだと思うわ」
「君の具合は、少しは良くなりそうか?」
 心配そうに気遣ってくれる王子は、石像のことなどどうでも良さそうだ。フィリシアは水の袋を頬に当てて、微笑んだ。
「大丈夫、ありがとう。行きましょう」
 フィリシアにかけられた死の呪いを解くために、彼らもまた、旅を行かなければならない。
 姫君は、しばし目を閉じて石像たちの幸運を祈ったあと、馬上に戻ったのだった。

(完)

たいへんお待たせしました!

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